カプラとセットで使用される「端子」ですが、端子にもいろいろなシリーズやサイズ、種類があり、選定の仕方やカシメ方法も様々です。
このページでは、端子の様々な情報をご紹介いたします。


端子の規格(サイズ)一覧表
025(0.64mm)
030(0.8mm)
040(1.0mm)
050(1.3mm)
060(1.5mm)
070(1.8mm)
090(2.3mm)
110(2.8mm)
187(4.8mm)
250(6.0mm)
305(7.8mm)
312(8.0mm)
375(9.5mm)
例:オス端子の先端幅が「2.8mm」であれば、その端子は「110型」です。

まずはご質問の多い、防水端子のカシメ方についてご案内いたします。
なお、ご案内する作業手順については、汎用工具を使用した作業の一例です。この方法が絶対ではありません。

また通常、ターミナルの圧着は「自動圧着機」という機械で加工します。数百キロから数トンでの加工です。
そうした加工に比べ、握力で加工する方法は、あくまでもテストやサンプルとしての加工が前提となります事をご理解下さいませ。

また、信頼性を必要とする箇所へのカシメの場合は、各製造メーカー様へ「作業手順」についてご相談下さいませ。
 
手動工具(ハンドツール)を用いた防水端子のカシメ方
使用する電線の被覆を剥く前に、ワイヤシールを通しておきます。
この端子に適合する電線は、電線仕上り外径が1.4~2.9mmの電線です。
芯線部分の被覆を取り除きます。
圧着は、使用する圧着工具(圧着ペンチ)のサイズや精度によって仕上がりが大きく異なります。
カシメ初期のアールが、カシメる端子に適合していない工具の場合は
あらかじめカールしやすいように加工しておくと仕上がりが綺麗です。
今回の使用工具はP-706です。
P-706の「2.4M」の箇所で初期のアールを付けておきます。
初期のカールが付いたところで、電線を挿入します。
大きめの箇所で圧着し、その後カシメ箇所を小さくしていくと良いでしょう。
今回は「2.4M」でカシメてから、「2.0H」で仕上げました。
芯線部分の圧着が終わったら、被覆部分を圧着します。
画像の場所までワイヤシールを移動させます。
被覆部分のカシメにはこの箇所を使用します。
カシメは端子部分をワイヤシールに添えるような感じで行います。
あまり強くカシメると失敗しますので、ご注意下さい。
カシメ作業は以上で終了です。
HM防水カプラに使用する場合、電線部分を引っ張って脱着する可能性が多いので
芯線部分にハンダを流して補強しておきます。
端子と芯線部分をハンダこてで十分加熱すると、ハンダが自然と流れ込んでゆきます。

加熱しすぎると、被覆部分やワイヤシールが溶けてしまいますので、手早く作業を行ってください。
端子(ターミナル)のカシメ方について-自動圧着機編
ターミナル(端子)の圧着(カシメ)は、自動圧着機という機械で行います。
当方で購入した自動圧着機の画像で、本体やアプリケーター、ダイスをご紹介致します。
画像をクリックすると、別ウインドウで大きな画像が表示されます。  
自動圧着機本体です。

自動圧着機本体は電気で動きます。
配線コムでは試験的に端子の切断用として導入しました。


配線部品に関わる仕事ですので、一度使ってみたいと思っていました。
「中古で良い機械があるよ」というお話しがあったので購入してみました。

自動圧着機本体は、とても重たいです。
一人では台の上に載せることは出来ません。

それほどの重さですので、それなりの台を用意する必要があります。
画像の台は新品で購入した台で、150kg用のものだったと思います。

ですが、もう既にかなりへこんでます。

台の下に置いてあるのは市販のコンプレッサーです。

カシメや切断の動作だけなら電気で動きますので、コンプレッサーは必要ありません。
ただ、当方では切断だけに使用していますので、切断した端子はどんどんカシメ部に溜まっていきます。
手で取り除くのも面倒ですので、切断ごとに空気で端子を吹き飛ばす機構が付いています。
それを動かす為に必要なコンプレッサーです。

アプリケーターです。

メーカーのカタログによると「アプリケーター」とは、「ダイス」と呼ばれるカシメの”刃”の部分や端子をダイスに送る部分、連鎖状の端子を一つ一つ切断する部分などを「ワンタッチで交換出来るユニットにしたもの」をアプリケーターと呼んでいるようです。

「ミニダイス」と書いてあります。
使用する端子に合わせて、アプリケーターを交換して加工します。


ウチには2つしかありません。
250型端子のM用とF用です。(M250とF250用です)

適用電線サイズの異なるターミナルには違うアプリケーターが必要と思われます。


このアプリケーターは完全な新品ではなく、ダイスだけ新品です。
それでも中古の圧着機本体と同じくらいの値段でした。


こうした機械をたくさん持っているハーネス加工業では、相当な設備投資が必要だと思います。
それなりの受注量がないと減価償却出来ませんから、ハーネスの生産を1本で依頼するのは現実的では無いと思われます。
   

現在の内容はここまで。

続きは順次追加予定。